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一枚の記憶

どなたのお話か、どこで読んだのかも忘れてしまって内容もうろ覚え、
もし違っていたらごめんなさい・・・。

るところに男がおりました。
ある夜、彼の枕辺に神さまが現れて言いました。

「おまえはもうすぐ死ぬ。でも一番残したい記憶を1枚の絵にして残してあげよう。」

男はどの記憶を残してもらうか一生懸命考えました。
若かった日々、妻や子、りっぱに仕事をやり遂げたあの日の思い出、
ひそかに愛した女たち・・・。

「神さま、どうしても1枚に決められません。5枚、いえせめて3枚・・・。」
「だめだ、1枚だけだ。」

その時、男は枕元で自分を心配そうに見つめている愛犬に気がつきました。
愛と信頼に満ちたそのまなざし。

男は言いました。

「ありがとう、神さま。もう、充分です。」

神さまは男に愛犬の記憶を贈りました。

2004/12/30


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